ベートーヴェンの魔笛?2012-09-02

今月のカフコンスは「ベートーヴェン変奏曲集」と題して、ベートーヴェンの「魔笛の主題による変奏曲 woo.46」と「三重奏曲 "街の歌" op.11」を演奏しますが、小学生のMさんから「魔笛なのにどうしてベートーヴェンなの?」という鋭いご質問をいただきました。(魔笛はモーツァルト作曲と気づくなんてスゴイ!)

変奏とは、主題(テーマ、曲の中心、変奏曲の場合は変奏の元になるもの)を色々な方法で変形させる事を言います。(サングラスやヒゲをつけたりするのは「変装」です。)

変奏曲は、主題とそのいくつかの変奏でできている曲の事です。(ベートーヴェンがまずいつもの恐い顔で出てきて、それからサングラスやヒゲで変装したり、笑い顔や泣き顔も見せたりする感じ?)

色々な変形を楽しむために、元の主題は、単純で覚えやすいものや、有名なものがよく使われます。(知らないオジサンがヒゲをつけても良く分からないけど、有名なベートーヴェンがサングラスやヒゲをつけたら面白いですよね!)

ベートーヴェンも、主題をみんながよく知っている曲にしようと考えて、当時のウィーンで大ヒットしたオペラ「魔笛」のメロディを選んだのだと思います。ちなみに「街の歌」の終楽章も、当時流行していたオペラのメロディを主題にした変奏曲なんですよ。

もし元の曲を知らなくても、最初の主題は短くてわかりやすいので、よく聴いてみてください。主題を覚えると、どんな風に変奏されていくのかも楽しめると思います。覚えられなくても、同じ曲が色々と変化していく様子に注目してみてくださいね。

(※なお、この説明はあくまでも古典的な「区分的、装飾的変奏曲」の場合で、ベートーヴェンでも中期以降の変奏曲はこれに当てはまらなくなっていきます。また「街の歌」の主題の選曲は出版社またはクラリネット奏者のリクエストと言われています。)


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今月の演奏メニュー

2012年9月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

ベートーヴェン変奏曲集

ベートーヴェン「魔笛の主題による変奏曲 woo.46」vc/pf
同「三重奏曲 "街の歌" op.11」

大橋裕子(クラリネット)
船田裕子(チェロ)
川北祥子(ピアノ)

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