旅への誘い(カフコンス第82回)2011-05-15

l'invitation au voyage

*曲目

シャブリエ「旅への誘い」*ソプラノ・ファゴット・ピアノ
Emmanuel Chabrier (1841-94)
L'invitation au voyage (1870)

ゴダール「旅への誘い」*ソプラノ・ピアノ
Benjamin Godard (1849-95)
L'invitation au voyage (1870)

タンスマン「ミニアチュア世界一周」より *ピアノ
Alexandre Tansman (1897-1986)
Le tour du monde en miniature (1933)
  Complainte de Nikko 日光の哀しみ
  Le marché d'oiseaux à Shanghaï 上海の鳥市場
  Le Gamelang de Bali バリのガムラン

ミニョーネ「ファゴットのための16のワルツ」より *ファゴット
Alexandre Tansman (1897-1986)
Le tour du monde en miniature (1933)
  Valsa da oustra esquina 街角のワルツ
  Valsa improvisada 即興のワルツ

ミヨー「夏の旅」より *ソプラノ・ピアノ
Darius Milhaud (1892-1974)
Le voyage d'été (1940)
  1.Modestes vacances つつましい休暇
  2.Les deux hôtels ふたつのホテル
  3.Le boulanger パン屋
  5.Monsieur le Curé 神父さま
  7.Paresse のんびり
  8.Les conscrits 新米兵士
  10.L'horizon 地平線
  11.Pêcheur 釣りびと
  12.Ruisseau 小川
  14.Les champignons きのこ
  15.Le retour 帰り

(アーン「シブレット より 私たちは楽しい旅をしました」)


*出演

渡辺有里香(ソプラノ)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)


*歌詞大意

「旅への誘い」(シャルル・ボードレール)

*わが子よ 妹よ
思い描いてごらん
かの地へ行き 共に生きる甘美を!
思うままに愛して
そして死ぬのだ
お前に似た かの国で!
曇った空で潤む
太陽は
私の心を魅惑する
これほど神秘的に
涙の中に輝く
お前の偽りの瞳のように

かの地には ただ 秩序と美
豪奢 静寂 そして逸楽

**ごらん 運河の上に
眠る船は
放浪の心を持ち
お前のどんな小さな望みも
かなえるため
世界の果てからやって来るのだ
沈む太陽は
野を
運河を 町じゅうを
ヒヤシンス色と金色に染め
世界は眠りにおちる
熱い光の中で

かの地には ただ 秩序と美
豪奢 静寂 そして逸楽

※ゴダールの「旅への誘い」では「かの地には〜」の2行は省略され
*わが子よ〜 **ごらん〜 わが子よ〜 *1,2,3,6行 の形で繰り返される

「夏の旅」(カミーユ・パリアール)

1.つつましい休暇

私たちは坂道を選び、平地を避けて行く
小さな車は怒ったように突進する
小さな車よ、落ち着いて
坂が2時間続き、200のカーブがあるのは
よく知っているでしょう
がけは左側に窪み、突然右側へ移る
青々と茂る斜面には白い牛たちが
この一年動かずにいる
木のない高原では荒々しい風が私たちと戦っている
なんていい空気!
目を閉じてゆっくりと吸わせておくれ
でももう栗の木や
突き出た屋根の低い家々がせまってくる
松の木が開けて私たちを通し
後ろでまた閉じる
きらめく野原の間に大きなカーブ
すると突然、ほら私たちの夢の国

2.ふたつのホテル

村にはふたつのホテルがある
ひとつはバラ色で教会の裏の野原に面している
もうひとつは大通りにあり、両隣から離れている
旅した遠距離バスがそこに止まり
村中から頼まれた品をそこに預ける
まるで駅の替わりで、重要な場所になっている
お昼に運送屋が入口の前にすわり
配達の前にため息をつきながら額の汗をぬぐう

3.パン屋

村にはやせこけた小さな男がいる
彼には背の高い美しい妻がいて
金髪で巻き毛の小さな子供たちがいる
薄暗い部屋の奥には赤く輝くオーブンもある
これが地元のパン屋
ドアの前を通ると、焼き立てのパンと火の匂いが
来年までつきまとう

5.神父さま

神父さまは探せばすぐに会える
彼は教会か、そうでなければ庭にいる
小さな子供たちに教理を教えたり
野菜に水をやったりする時は
いつも善良なやさしいほほえみと一緒
この世で神を愛してもう80年だ

7.のんびり

狭い谷に横たわって何も考えないでいる
自分の上には海のように澄んだ空
両手の下には水のようにひんやりとした草
そしてどこか遠くで羊飼いの鈴の音が響く

8.新米兵士

太鼓が鳴り響く
新米兵士たちだ
彼らはワインの匂いをちょっと嗅いだだけで
ちっともまっすぐに行進しない
でもワインは兵士には必需品
しかもここにいるあどけない娘たちは
心の中で彼らを尊敬しているのだ

10.地平線

窪みの少ない谷のうしろに
慣れ親しんだ丘のうしろに
地平線の長い線が空のふちに沿って伸びる
私の魂よ、お前と隣り合うゆるやかな曲線を見捨てて
未知の国、お前の故郷へ船出しなさい

11.釣りびと

金髪でやさしいみにくい釣りびとよ、わが友
じめじめした隠れ家でこそこそしているマスを
追いかけている釣りびとよ
つまらない獲物を望ませておくれ
お前の美しい恋人たちがお前をあざ笑い
あっさり別れを告げ
夕暮れ時に柳の枝で編んだカゴが
どんな刺激的な人生をも留めておかないことを

12.小川

橋の上で顔を出したら
動かない暗い鏡が見える
そして逆さまの橋のアーチと
逆さまの自分の顔が見える
でも日当たりの良い野原に下りたら
それが生き生きと楽しげに流れる小川なのに気付く
多くのへまをやらかして
ウインクしながら枝の下を流れていく

14.きのこ

9月初めての雨がやんで
太陽が戻って来たとき
私たちは一群となってきのこを探しに出かける
でも私は空中を見上げて
他の人が見ていない美しいものを見ている
ところが夜になって
みんなが大理石のテーブルの上に宝物を並べると
私はあまりの恥ずかしさにうなだれる

15.帰り

門の前には再び小さな車
ブレーキの点検をしてみて
ああ!もう上らずに下るしかない
村のこどもたちが私たちの前に並ぶ
夜までに戻るにはもう出発しなければ
さようなら美しい女主人
さようなら神父さま
すぐにおたよりします
用意はできた?
忘れ物はないかしら
バイオリンにつりざお、大きなゴム長靴
さあ、最後のロープを切りましょう
きらめく牧場の合間に再びしなやかなカーブ
開けた松の林は行きとは逆側に見える
やせた高原は絶え間なくうなり声をあげている
なぜお前は私の胸を揺さぶるのでしょう
その悲しみは何なのでしょう?
休暇が一年も続かないことは分かっているでしょう
ほらもう坂は様子が変わってきた
花開いたヒースは秋の訪れを知らせる
私たちの後ろに太陽が隠れ
最後にもう一度振り返ってみる
ああ、私の冬の糧、それはそこにある
私は持って帰ろう
目の前には広い平野と
私たちを待つもやの中に広がる
日々の生活よりもたくさん


*ブログ

2011-05-15 ご来場ありがとうございました
2011-05-15 旅への誘い(カフコンス第82回)
2011-05-14 アンコール予告
2011-05-10 避暑地担当 W
2011-05-08 南米担当 E
2011-05-06 アジア担当 K
2011-04-29 旅への誘い(同名異曲)

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