春のトリオダンシュ<2>2011-03-04

トリオダンシュというと「のどか」なイメージが浮かぶのは私だけでしょうか? 演奏する側は吹きっぱなし&難易度も高くて大変なはずなのに...

カフコンス第44回に演奏した「田舎風に」は民謡の大家カントルーブ作なので仕方ないとしても、トリオダンシュ誕生の時代*の他の委嘱作も「田園風」「牧歌」などという題名が目立ちます。第75回に演奏したモーツァルト「ディヴェルティメント」**が「ほのぼの」しているのは身内で合奏を楽しむ目的で書かれたからかもしれませんが、「20世紀に誕生した編成」の「演奏会を前提とする作品」で、この「のどか」さ加減はどうして?

*昔から楽器の改良や名手の誕生によってそのジャンルが発展してきたように、トリオダンシュも20世紀初めの楽器の改良と、この時期に結成された三重奏団の活動によって地位を得ました。また、その委嘱作品を次々と出版した出版社の存在も大きかったと考えられます。ちなみにこの出版社、バロックに強いからか、ミヨー、イベール、プーランクらによるリコーダー(というか「pipe=笛」)曲集も出しちゃうチャレンジャー。

**「ディヴェルティメント」は元々クラリネット三重奏。古くからオーボエ三重奏(ファゴットも含む場合アリ)、クラリネット三重奏はあったのにトリオダンシュがなかったのは、やはりダブルリードのオーボエ・ファゴットとシングルリードのクラリネットを混ぜるのが避けられていたのでしょうか。

そんなトリオダンシュ、個々の曲目についてはまた次回くらいからご紹介します(たぶん)。


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今月の演奏メニュー

3月27日(日)11時〜 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
春のトリオダンシュ

ミヨー「牧歌」
イベール「五つの小品」
ピアソラ「ブエノスアイレスの春」
フローラン・シュミット「トゥールダンシュに」*

中山正瑠(オーボエ)
荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ*)

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