アンデルセン童話2011-01-29

次回カフコンスの準備は童話を探す事からスタートです。R.シュトラウスは「二重協奏曲」の構想の段階で、アンデルセン童話を元にした「豚の番人」「王女と乞食」「王女と熊(美女と野獣)」などを想定していた、と言われているので、どんなお話なのかと。

(ちょっと前まで旧ソ連の社会主義リアリズムやアルメニアの民族楽器について調べていたと思ったら今度は童話、という落差。でも音楽を通して様々なことに触れられるのは楽しみでもあります。)

さて、アンデルセン童話2巻の「豚飼い王子」というお話が「豚の番人」のようですが...

貧しい王子が皇帝のお姫様に素晴らしい薔薇とうぐいすを贈ってプロポーズしましたが断られてしまいました。彼は身分を隠して皇帝の城の豚の番人になり、庭の汚い小屋で、音楽を鳴らす壷やおもちゃを毎日作りました。お姫様は番人の作る不思議なおもちゃが欲しくて、代金として彼の望むキスを嫌々支払いました。ある日、お姫様が彼にキスしている所を皇帝にみつかり、二人は城から追い出されてしまいました。お姫様は、あの時あの王子と結婚すればよかった、と後悔しました。番人は王子の姿に戻り、お姫様に「薔薇やうぐいすの価値をわからず、おもちゃのために番人にキスまでした報いだ」と言って、一人で自分の王国に入って門の鍵を閉めてしまいました。

...このお話、いったいどう読めばいいんでしょう??「仮の姿から王子に戻る」のも全然ステキじゃないし。結局シュトラウスも標題音楽は選択しなかったので、童話方面から攻めるのは諦めたほうがいいかもしれません。それに、この時期*のシュトラウスの新古典的で優美な音楽にはアンデルセン童話の毒や性格悪いお姫様なんかは登場しない気もしてきました。

*「二重協奏曲(1947)」はシュトラウスが終戦後にスイスに移住してからの最晩年の作品。同じくスイス時代の「オーボエ協奏曲(1945)」も美しすぎるので、美しさの秘訣はスイス? 童話系ではバレエ「ホイップクリーム(1922)」もおすすめです。


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来月の演奏メニュー

2月13日(日)11時〜 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
クラリネット・ファゴットによる二重奏~美女と野獣の対話

ラヴェル「美女と野獣の対話("マ・メール・ロワ"より)」
プーランク「クラリネットとファゴットのためのソナタ」
R.シュトラウス「二重小協奏曲 av147」

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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