国際カエル年記念・18世紀のカエルたち(カフコンス第56回)2008-11-24

*曲目

テレマン「協奏曲 "蛙" イ長調」(オーボエ五重奏版)
Georg Philipp Telemann (1681-1767)
Konzert "Die Relinge" TWV51:A4
  1.Allegro
  2.Adagio
  3.Menuet

ハイドン「弦楽四重奏曲 第49番 "蛙" ニ長調」
Franz Joseph Haydn (1732-1809)
Streichquartett "Frosch" op.50-6 (1787)
  1.Allegro
  2.Poco adagio
  3.Menuetto: Allegretto
  4.Finale: Allegro con spirito

(テレマン「アルスター序曲 より カエルとカラスの合奏」)


*出演

日高慧(オーボエ)
黒田玲(ヴァイオリン)
松田麻実(ヴァイオリン)
中村洋乃理(ヴィオラ)
森山涼介(チェロ)


*プログラムコメント

 今年2008年は「国際カエル年」。「国際カエル年」とは、両生類を絶滅の危機から救うためのプロジェクト「両生類の箱舟」の一環として、国際自然保護連合・世界動物園水族館協会を中心に行われている世界的キャンペーンです。そこでカフコンスでも蛙にまつわる作品を演奏することにしました。
 協奏曲「蛙」は、自然を題材とした多くのテレマン作品の中でも特に「洒落た悪ノリ」の感じられる一曲で、典型的なバロックの協奏曲の様式の中、蛙の声に見立てられたバリオラージュ(弦楽器で解放弦と隣の弦を交互に弾く奏法)が随所に現れます。
 「弦楽四重奏曲の父」ハイドンの弦楽四重奏曲第49番は、プロイセン王に献呈された六曲の「プロシア四重奏曲」の終曲で、終楽章にやはりバリオラージュが登場することから「蛙」と呼ばれています。
 両生類は今、約半数の種に個体数の減少が見られ、32%の種が絶滅の恐れに直面しているそうです。その原因として考えられるのは、開発などによる森林や水辺の減少、地球温暖化…本日の二曲の中に聴くことのできる18世紀の風景が過去のものとならないよう願ってやみません。