一衣帯水~中国名歌集(カフコンス第53回)2008-07-20

*曲目

元任 (1892-1982) 作曲
「教我如何不想他」どうしてあなたを思わずにいられようか

黄自 (1904-38) 作曲
「思乡」望郷

黎英海 (1927-) 作曲
「春晓」春暁

ハサク族民謡/呉祖強 (1927-) 編曲
「燕子」つばめ

カザフ族民謡/王洛賓 (1913-96) 原曲改編/陳田鶴 (1911-55) 編曲
「在那遥远的地方」草原情歌(あの遥か遠いところに)

四川民謡/丁善徳 (1911-95) 編曲
「太阳出来喜洋洋」太陽が昇り、喜び溢れる

タタール族民謡/王洛賓 原曲改編/黎英海 編曲
「在银色的月光下」銀色の月光の下

美麗其格 (1928-) 作曲
「草原上升起不落的太阳」草原に昇る太陽、永遠に輝く

ウイグル族民謡/黎英海 編曲
「阿拉木汗」アラムハン

(杉山長谷夫「出船」/山田耕筰「かやの木山」)


*出演

田大成(テノール)
川北祥子(ピアノ)


*歌詞大意

「どうしてあなたを思わずにいられようか」劉半農

天空に淡い雲が漂い、
地上にそよ風が吹いている。
あ丶丶丶そよ風が私の髪を揺らしてゆく、
どうしてあなたを思わずにいられようか。

月の光が海に恋し、
海が月の光に恋する。
あ丶丶丶このような甘美な銀色の夜よ、
どうしてあなたを思わずにいられようか。

水面に落ちた花がゆっくりと流れ、
水の底では魚がゆっくりと泳ぐ。
あ丶丶丶燕よ、おまえは何を話しているの、
どうしてあなたを思わずにいられようか。

枯れ木が寒風に揺れ、
野火が暮色の中に燃えている。
あ丶丶丶西の空に僅かな残照あり、
どうしてあなたを思わずにいられようか。

「望郷」韋翰章

糸柳が青緑、清明節が過ぎたばかりだ、
唯独り、無言で欄干に凭れている。
更に寂しくさせられるのはホトトギスが塀の外で、
何回も「帰った方がよい」と鳴き促すのだ。
万感こもごも切ない思いを起こさせる、
胸に溢れる別離の情。
落花に問う、「縹渺たる小波と共に
南へ流れて行くのか」、
私はあなたと一緒に行きたい。

「春暁」孟浩然

春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知る多少

「つばめ」

燕よ!
聞いておくれこの私の想い、
いとしき燕、わたしの話を聞いておくれ!燕よ!

燕よ!
心優しいそして元気な貴方、
貴方の笑顔はきらめく星のようだ。

あ丶
細い眉に明るい瞳、
白いうなじに長い髪、
私の可愛い人よ、燕よ!

燕よ!
貴方の愛の誓いをいつまでも忘れないでおくれ!
“私は貴方のもの、貴方は私のもの” 燕よ!あ丶!

「あの遥か遠いところに」

あの遥か遠いところに、
可愛い娘がいる、
人々が彼女の小屋を通り過ぎると、
皆振りかえって恋しく思う。

彼女の桃色の笑顔、
赤い太陽のよう、
彼女の生き生きとした瞳は
夜の澄んだ月のようだ。

私は一匹の小羊になりたい、
彼女の傍にいて、
彼女がしなやかな鞭で、
いつも優しく私を打ってほしい。

「太陽が昇り、喜び溢れる」

太陽が昇り、喜び溢れる。
天秤棒を担いで、山に向かう。

手に斧を握り、
虎も狼も恐れはせぬ。

断崖や険しい道もめずらしくない、
歌を歌いながら、柴刈りに急ぐ。

我々が勤勉でさえあれば、
食うもの着るもの心配いらぬ。

「銀色の月光の下」

金色の砂浜に、
銀色の月光が降りそそぐ。
過去の軌跡を探し求めるが、
過去の軌跡はぼんやりとしている。

*過去の軌跡はすでにぼんやりとしている、
まるで夢のように。
あなたは何処に隠れたの?
私を棄てた娘よ。

**私は馬を駆って、
矢のように飛んでゆく。
飛べ、飛べ、私の馬よ、
彼女の行ったところへ。

*過去の軌跡は〜

**私は馬を駆って〜

「草原に昇る太陽、永遠に輝く」美利其格

青空に白雲が漂い、白雲の下に馬たちが走る。
鞭を振り響き、百鳥たちが一斉に飛んでいく。

人々が私に尋ねる、ここはどんなところ?
私は誇りを持って答える、ここは私の故郷だと。

あ丶草原に昇る太陽、永遠に輝く。

「アラムハン」

アラムハンってどんな娘?
太ってもなく痩せてもいない。
眉は三日月のよう、
腰は細い柳のよう、
小さな口は愛くるしい、
彼女の瞳は人をどきどきさせる。
アラムハンってどんな娘?
太ってもなく痩せてもいない。

アラムハンはどこに住む?
トルファンの西三百六十里。
夜は彼女のために寝りもせず、
昼は咳をして彼女の気を引く、
彼女のために吹雪に立ち向かい、
くつ底がすりきれるまで走り回る。
アラムハンはどこに住む?
トルファンの西三百六十里。