モーツァルトとロイトゲープvol.1/モーツァルトとシュタードラーvol.5(カフコンス第31回)2006-10-22

*曲目

モーツァルト「ホルン協奏曲 第3番」より
(※ナチュラルホルンによる演奏)
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-91)
Konzert für Horn und Orchester K.447(1787)
  1.Allegro
  3.Allegro

同「五重奏曲」
Quintett für Klavier, Oboe, Klarinette, Horn und Fagott K.452(1784)
  1.Largo / Allegro moderato
  2.Larghetto
  3.Allegretto

(同「アヴェヴェルムコルプス k.618」)


*出演

大森啓史(ホルン)
福井貴子(オーボエ)
大成雅志(クラリネット)
井上直哉(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)の数多い友人達との関わりの中で、イグナーツ・ロイトゲープ(1732-1811)との関係は非常に楽しみに溢れた、充実した関係であったに違いない。ホルン奏者としての傍らチーズ屋さんというユニークな職業を営んでいたロイトゲープは1777年にウィーンに移り、4年後にウィーンにやってきたモーツァルトとは生地ザルツブルクで知り合って以来の大親友であった。24も年の離れた、若く才能に溢れたやんちゃ坊主と冗談を言い合ったり、悪ふざけをしていたロイトゲープという人物の人柄は推して知るべし、というべきか。
 さて、このロイトゲープが活躍していた時代のホルンがナチュラルホルン。ヴァルブを持ち複雑な形状をした現代のそれとは違い、非常にシンプルな構造が特徴的である。このナチュラルホルン、音によってクリアーに鳴る音とくぐもった響きの音のコントラストを持っているのだが、現代の楽器ではこのくぐもった響きが失われている。ナチュラルホルンでは現代の楽器に比べて機動性に劣るものの、モーツァルトの意図した表情(短調の部分でくぐもった響きが多用される、など)を雄弁に表すことが出来、そこからモーツァルトがいかに当時のホルンという楽器に精通していたか、という事実をも我々に示してくれるのである。本日これを用いて演奏するのが彼のホルン協奏曲の中でも最高傑作との呼び声の高いK.447(第3番)。
 K.447に先立つこと3年前、28歳のモーツァルトが「これまでの作品の中でも最高のもの」と父親宛の手紙の中で自画自賛したのがK.452の五重奏曲。確かに、美しいメロディーやまるで協奏曲かのような華やかさ、そして緊密な室内楽の響きが凝縮された文句の付けようのない作品だろう。

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